かなしみ/
松本 涼
鈍いかなしみに
ぺっとりと
貼り付かれ
私は地べたに
呼吸を預ける
地べたが吐き出す
私の呼吸が
再びこの身体に
宿る頃に
私はやっと
本能の位置へと帰り
既に
乾ききった
かなしみを
パリリ
と剥がすのだ
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