父性/kauzak
ぎゅー
とか言いながら
小学生の次女が背中から抱き付く
突然の攻撃に弱い僕は
反射的に振り払う仕草をする
から彼女は頬を膨らます
いつものパターン
だけど今日はちょっと事情が違った
妻が半ば呆れて
「3日家を空けてたから寂しかったのよ」
などと余計なことを言う
なんだか非道い仕打ちをする
父親のような気がした
のを見透かすように彼女が
今度は脇腹めがけて
ぎゅー
と言って抱きついてくる
受け止めざるを得ない僕も
彼女の温もりを感じて癒されることに気付く
今更だが
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