夏/モリマサ公
 
幾本もの虹がのぼりながら重なり
耳元をかすめる
皿洗い機のあけたてと
空耳の有線のジングル
急ブレーキとまばたきの音
ボールペンを走らせ
アドレスを記入しながら
今のあの人の手相を占い
出会いや別れを笑いながら
改札口で手を大きく振り
明日死ぬかもという感覚は
消えないままいまだ
毛穴という毛穴からしみ込む
これは日常
リストカットがちらちらと赤く
リバー黒っぽくネオン街を照らし
ラスト
多分キスをもう一度しても
それは奇跡じゃあなくて惰性で
コンビニは全国ほとんど内容の
かわらないまま
みつめる目玉たちは
重なり幾本ものうでがのび
各商品はバーコードによみとられて
ワンリッターテンリッター
ゆれているこころはここで
覚せい剤のような刺激じゃなくて
本物の自分自身をみたい
みどりのフルーツ
はっぱ色のスカート
景色はいつかの夢みたく
またモリマサちゃんが
いつものようにくりかえす今を今の連続として
はこばれていく










 
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