『定規』/東雲 李葉
 
のことばかり測り過ぎて自分が見えてなかっただろうか。

ボクも間違うことがあるんだなんて、言ってはいけないことだよね。

完璧気取ってきたのだから最後までそれを通さないとね。


ああ!ついにボクも間違えた。


居た堪れない恥ずかしさや情けなさが瞬間的にボクを包むと、

馬鹿にしてきた彼や彼女が嘲るようにボクを見る。

意地の悪そうな声にボクの口癖を繰り返されたら、

育て上げてきた一つの線が大きく捻じれてしまった気がした
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