ベッド/瓜田タカヤ
ほぼ何もせず、ベッドでゴロゴロしながら
ひたすら様々な観賞。
第三のビールよりも
安ワインの方が経済的なんじゃないかと考えた。
ため息や罵倒や夫婦喧嘩が金に換わるならば
幾らでも絶望していられるのに。
カミさんのお母さんに、無職の事を心配されて
すぐにいじけるという幼稚なことをしてしまい
酒に逃げ込む金も無く、ブラウン管を観賞し続けた。
昼間に起きる太陽の匂いは
学校に行かなかった日々の同じ圧力と
後ろめたい心地よさとで、象る肉体を許可していた。
棺桶の中で生活していけたらどれだけ楽しいか。
毎週ジャンプだけは配達されたら、それは本当に
絶望なのか。
世界は想像力が知っている。
ベッドは飛ばない。
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