名残りの初夏/水島芳野
 
鉄琴が上手く叩けるようになったら
歌って欲しい歌がある。
君はもう覚えていないかもしれないけど
僕はきっと生まれ変わっても忘れないよ。

海辺に広がったレース
零れてしまったビイ玉
沈んだ両足

きっと

過ぎ去った夏はもう他人事のようで
迫り来る秋は終わりのようで



朝顔の首が落ちる頃
まだじわりと肌を焼く
ひの、ひかり。


鉄琴木琴ピアニッシモ





抱きしめてしまいたいのに

君はいない。

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