こころ/二瀬
 
暗い受難が
名もないアスファルトの海に

堕ち、

て、


、産まれ





1.

座り込む前、私は知っていた

焼けた夕陽を目にする度
自分の踵から伸びている暗い樹木が
確実に
輪郭から地面に溶け出していること

私は交差点を横切る者
二つの蒼い
ネオンライトになろうと

最後の暗い情熱のあげく 路に焦げついた

あなたは私を見つけられない

私は交差点に敷かれる者
あらゆる向きの方向性


2.

私を捜して

君は
交差点で転がっている
透明な体を抱えながら
靴だけはしっかり履いて

俺はここ
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