夜の国まで/松本 涼
 
三両電車のガッタン
に連れられて

これからは僕は
夜の国へ


翼があるのか
ないのか探しもせずに

だけど既に
僕のカラダはちょっぴり
浮いている


向かいの窓に
流れるのは

諦めを知らない
友人との会話

隣の部屋から聞こえる
家族の大きなくしゃみ

僕の一部と戦う
僕の一部

それらがみんな
翼になって


夜の国まで
僕を運ぶ

片道22分で


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