真夏と重力/Utakata
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樹の緑から飛び立った鳥の黒い羽の音を
夕立のたびごとに絵日記に貼り付ける
それが毎日の日課になったころ
子供たちの影だけがきれいにアスファルトの上に焼き付けられている
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すべてのものが重力を持つので
炭酸水のかたちをした夢の中に逃げ込む
黒い切り絵のような二人が
ひとくちずつそれを啜っている
海へ行く
人のような形があちらこちらで浮き沈みしている
ゆるやかに触れた指の隙間に
少しずつ電気が溜まってゆく
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祭囃子の残響を
指先でそっと摘み取っては
虫かごの中へと入れる
金魚の鰭が街角ごとにひらめいては消える
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