はなしことばにかきことば/かいぶつ
 
ことばに
すくわれたかった
だから
ほんをひらいた
けれど
ほんのことばに
こころはなかった

ことばに
ころされたかった
そんなときも
ほんをひらいた
けれど
ほんのことばに
てあしはなかった

ことばを
すくいたかった
だから
きみをあいした
けれど
きみのことばは
みをなげた

ことばを
ころしたかった
そんなときも
きみをあいした
けれど
きみのことばは
えいえんだった

きみを
すくいたかった
だから
ぼくは詩をかいた

きみを
ころしたかった
そんなときも
ぼくは詩をかいた

けれど
詩のなかに
ぼくはいなかった

きみさえ
いなかった

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