夏の氷熱量計/唐草フウ
 

(心、あつく)

なつの海のふちに
哀しさがあつまる
はげしさの内情
イベントの回転ドアだけ


とても窓が蒸してる


波があつい
涙つめたく
背景にはラテン
砂で足もつれ

消えていった恋びとの数
消えていったいのちの
あ、あ、あ
かがやきすぎて
夕陽までいられない



(心、つめたく)

氷よりも重ねて
冷めてしまえば
刻まれただけ
月だけが美しい
笑えばすこし
穏やかな夜よ
裸で踊れば夏

放出したアドレナリン、
す、ぎ、て、
事故りそうな夏よ
海は、振動をやめないから
もどかしい夏の前夜







実はつめたいほど
燃えている
氷の中にあるジレンマと同じね


戻る   Point(7)