モディリアーニと立ち話/里欣
つ臆病に情愛を分散 彼女たちの罵り合いが過熱させるほどのバブルをぶくぶくと吐いていた
モディ ちくりと刺したいわよ 主流の自愛に 非主流の齟齬に この360度回転の椅子の自由に 寄りかかると深淵に落ちるすべてに
モディ 海が見えた 大事な人よ 慈愛の声とぬくもりで救いにおいで 私の髪をやさしく触り もっと短くすれば 守ってあげよう 犬が吼えている 羅漢という男だ その手で心の虫も殺してちょうだい
モディ もう早く戻らなくちゃ 本来へ 愛へ じゃあまたね
『現代詩手帖』2007年10月号新人作品欄
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