陽子と教育/キリギリ
 
ありふれた言葉に価値があるのはそれを
発した人間が特別だったからで特別でも
なんでもない貴方がありふれた言葉を発したところで
祭る神輿も掛けるベールもなく剥き出しの壁を彩る壁紙ほどの
効果もないまま風に吹かれるでも水に流れるでもなく
こびりつく汚れのような苛立ちすら与えずその発声は
結局のところざらついた呼吸と同程度の扱いで無視される。
貴方は貴方が思っているほど特別ではないと言うと
「私は自分を特別だとは思っていない」と返ってくるから
貴方は貴方が思う通り凡庸だがその凡庸具合は貴方の想定より
ちょっと大きいかもしれないと言ってみる。平凡な言葉で
大切なことに気付いて欲しい、
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