『さよなら』のしかた/見崎 光
 

宛先のない手紙を書いてみても
言葉が消えていくばかり

想いを込めて唄を漂わせても
風に飲み込まれていくばかり

鳥のさえずりに吐息を乗せても
空は移ろうばかりで
雫を望む瞳が落ちていく



アスファルトに伸びる影
ひとつだけ
寂しげに傾いては
繕う肩を抱き締めた



さよならと描いて
愛してると消す
行ったり来たり繰り返し
いっそ心を捨てれたらと
収集日を探したのに
分別方法が見つからなかったりして
結局また“ふりだし”


『さよなら』
サイコロの目は
スゴ録みたいに上手く
転がってはくれない





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