ツール/1486 106
 
確かに
愛は世界を救えるかもしれない
だけど使う人がいなければ
それはただの道具にすぎない

例えば
愛を誰もが讃えるけれど
実体は空気のようなもので
色も形も音も味も無い

どうやって使う?
どうやって伝える?

優しさは毛布に似ている
温もりを求める人に与えれば
それなりの感謝を得られるだろう

だけど本当に助けが必要なのは
求めることを諦めてしまった人で
例え思いやりが届かなくても
暖めることを止めてはいけない

苦しみや悲しみは忌み嫌われるけれど
取り除いたり埋め合わせるものではなく
乗り越えるための土台のようなもの

そして希望は道標のように
行き先を示してくれるものじゃない
言うなればそれは電池と同じ
人が歩き続けるための動力
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