大人の風邪/小原あき
 

一週間や二週間は当たり前で
去年は3ヶ月近くひいていたことを
天井を眺めていたら思い出した


風邪をひいていても
少し無理をして家事をこなした
家事の合間に少しだけベッドに横になり
真っ白な天井を
気分が楽になるまで眺めていた


真っ白な天井に
黒い視線で
吐き出せないでいる良からぬ話題を
つらつらと
誰に遠慮するでもなく書きつづる


頭の中の不満が
落ち着きを取り戻し
少しだけ熱がひいていく
それでも少し
喉の奥にしこりが残っている


わたしはそれを
気にとめないふりをして
また家事へむかう


だから、どうしても
どんなに丈夫な体を作ったつもりでも
(子供より大人のほうがよっぽど体力はあるというのに)
大人の風邪は長引いてしまう






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