めぐりめぐる/yangjah
夜の町を
自転車で走る
北か東か南か西か
どっちに向かっているのか
わからなくなる瞬間
宇宙にぽつんといる自分になれる
気づいたら
忘れていたという
境地は
後からしか
振り返ることができない
意図して
できることと
できないこと
自分の意志を越えたところで
起こることが
生をうごめかしていく
狂った女のように
泣き叫ぶ時も
あたらしい恋の予感に
浮かれる時も
あやつり人形のような
自分の存在を
もうひとりの自分が
みつめている
ちょっと微笑んで
みつめている
春の匂いがただよい
雪が舞っても
確実に
時と何かが
めぐりめぐっている
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