早朝よせて/あすくれかおす
新しい波線が
次の更新を終えてしまう前に
浜辺の水跡を
ジグザグとたどっていく
からだの左側は
いつもより無感覚に支配されて
向かってくる白い音に
何かを奪われている心地がする
隣で慟哭する波の
その声に交じって
私も
海の雄叫びをあげたい
例えばこの限られた
日暮らしの散歩が
永久に続く毎日になってしまったとして
私は疑問を 感じられるだろうか
私が麻痺しているのか
世界が麻痺しているのか
もう区別もつかないくらい
何もかもが痺れてしまって
息ができないのか
息を止めているのか
まだ潜ってもいないことす
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