こんな堤防の上をあるいている/水町綜助
 
ょうど葉先に両瞳は浮かび
わたる風がさざ波をたてるのを
斜面の下の農道まで見つめている

小花が咲いている

いずれにせよ堤防の上には
しちがつの始め
早くも体をじりじりと焼き
舗装路の継ぎ目に液体を塗り込めてしまいそうないわゆる太陽(いつもどこかに浮かんでいる)(落ちなどしない)が伏し目がちに
焦点を合わせることなく落とし
(なので視線の合うことはない)
私もまつげが邪魔をしている
燐光ばかり実らせる
見飽きた

甘いものばかりでは?

後ろをあるく人がいる

堤防の半分を過ぎた頃
白い桟橋が架けられた先に
小さな管理塔があって
池に向かって開かれた
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