生きる力。/Izm
なんで なんで と
聞きたがる あの日は
まだ何も知らぬ
真っ白なコドモだった。
笑ったり 泣いたり
知らん顔で通り過ぎようとする
オトナを見れば
少しずつ 少しずつ
歪んで歪んで。
ただ前を向くと
そこには また
「なんで なんで」が現れて
わたしは コドモのままなのだ。
歪み 黒く染まった。
愛とかエコとか言って
人間が壊していくのに。
見直したところで
まだ戦争は消えずに
「なんで」と言えない少年は
銃を持ち 重圧で死ぬ。
肌を溶かし 骨を溶かし
原子爆弾が命を奪う。
次世代までもを奪い去る。
婆ちゃんは被爆者で
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