とかが/
ひとあめ
かたりとなる昨年の暮れから
おそらくかなしばりにあいながらみる
まつげのさきの閉じかけのまぶたが愛らしかったとか
ぬるくひかっている足の爪のはがれぐあいだとか
いつも指をうごかしている完成をみれない
ちぎれるだろう細い白よりも光にちかそうな糸の
ほこりが毛足の長い絨毯に挟まっているとか
ふふふ、とほほえむだけの女なのか男なのかが
おそらく幸せなのだろうと
みるのをやめた
それもあれももう
ない
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