コインロッカー/モリマサ公
空気がむせかえる
ジャンクションを間違えてカーブしていくおもいきり
アクセルを踏み替えないで俺たちは加速して
絶対に追い抜けない霧もやの中を疾走する
あったかい罪を犯したかったの
サミットがさびれたロッカーを閉鎖して
だいだいいろの手首がそこいら中に落ちてる
自転車のサドルの上
中央分離帯の脇に
その角度じゃない
手のひらは全部上をむいて
それぞれの家族の群れの崩壊を
空色の場所に好きにきざみながら
コインを自販機に入れ
明日あさってしあさってって
皮膚や肉がうすくうすくうすくはがれていく
俺たちは途方に暮れ切符みたいに吸い込まれて
濁った体液をのりこなすボデ
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