夢の終わりから、ずっと/kauzak
 
背景のない世界
遠近感もない
乳灰色の空間に
僕はただ立っている
画素の荒い写真のような
朧気な白色光を浴びて

遠く人々のざわめきが
聞こえるけれど
方角すらない世界の中
ここから動くことができなくて
時間すら止まっていることが
せめてもの救いなのだ

希望が叶うことが
夢の終わりの始まりを
意味することもある
そんな知りたくもなかったことを
実感してしまった瞬間から
心は竦んだままで

遠く聞こえるざわめきは
背景のない乳灰色のこの空間の
すぐ裏にあるような気がするけど
茫洋として何もない(ように見える)
この空間をぶち破る力が
まだ僕にはない

夢の終わりが咀嚼できるまで
立ちつくすしかない
いま しばらくは
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