似た光/わら
なくて
こんなうたが最期だったらなあ
とぼとぼと帰り道
家路の間際で
なんだか、すこし泣けてきた
あの光がまばゆくて
ぼくはいつも言葉を見失う
音をきく度に
ぼくの言葉は無力だと思う
乾きゆらぐ意識の片鱗
目を細めて
溶けるような眼球の隙間
暗闇の中
太陽のそばで
焼けてほころぶ冷たいそれが
どうか、罪でありますように
便器の底にゆらめく胃液が
どうか、光でありますように
ああ、神さま
どうか、ぼくが罪人でありますように
ああ、どうか
耳鳴りが消えませんように
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