ミニマル/西日 茜
実験的に無駄を省いたら
風も 木も 波も 空も 木霊も
みんな みんな 同じリズムで
繰り返している
少しずつズレていくのは
それが少しだけ違う音になって
だんだん 少しずつ変っていくからなの
劇的な変化はない
同じリズムの繰り返しの中で
ほんの少しだけズレていく
吹き抜ける風
木の葉のざわめきと梢の軋み
繰り返す波
空に木霊する謳い
感じる
演奏者はまるで機械のように
無機質でしかも鋭角
ミとファの間とシとドの間で
次の実験が始まる
終わるときは
ただただ小さくなって消え入るように
静寂を呼んでくる
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