鯨が枯れる(reprise)/mizu K
夜の水族館の部屋、真夜中になれば魚たちは
いちど死に朝になればまた生まれるのだと信じていたころのこと
累々とおびただしく規則正しく折り重なる
自分らの死体を夜の部屋に想像し眠れぬ
死体の数を数えていた
潮が引いていきました
砂浜が徐々に太陽の光に乾いていく砂は徐々に
粘着力を失いさらさらと砂丘を流れる波
風紋をつけて空へ飛びたった砂粒のかけら
ひとつ吸いこんで
鯨が枯れる
生捕りにした植物を夜の部屋に置く
植物は時間が経つに従ってその生気を失い
また重なっていく夜の水族館の部屋
かたくなに信じていた真夜中の魚たちと違い
生捕りにした植物は朝の清
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