いらない/
yaka
「いらない」と見向きもせずに、あの日も弁当は置き去りだ
しょうがないのでその人は、昼飯にやるせなさを食べた
「ほうっておいて」と突っぱねて、また綻びが大きくなった
しょうがないのでその人は、夜中にこっそりそれを縫った
「頼んだわけじゃない」と苛立ちは、さよならも置かず出ていった
しょうがないのでその人は、毎月欠かさず書留を送った
「いらない」ときみは言った
見向きもされない弁当だけれど
欠かしてはいけないことを、その人は知っていた
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