全てを隠して/
桜木 ハル
そっと
そっと隠した君の笑顔
けれど僕には見えていたんだ
そっと
そっと隠した君の本音
けれど僕には聞こえていたんだ
ずっと
苦しんででも生きてきた
それは僕と、君のその腕の傷だけが知っている
爪を立てて、けれど安い命なんかじゃないんだと
強がって刃を立てることはしなかったのに
その細腕は、生きる希望を掴めずに崩れ落ちて
この世の全てを諦めかけてる
駄目だよ、もっと頑張らなきゃと、
涙に濡れた笑顔は無理矢理生きることを強いている
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