浜辺の樹木/服部 剛
 
詩友がマスターをする 
「 ポエトリーカフェ 」の本棚から 
手にした詩誌を開いたら 
 
昔別れた 
サングラスの詩友が 
モノクロ写真の四角い枠から 
「 調子はどうだい? 」と微笑んだ 
 
写真は某ローカルFMのスタジオで 
僕が番組をやっていた頃と 
肩を並べるメンバーは変わり 
サングラスの君以外は 
見知らぬ顔で 
 
あの日の友情に罅(ひび)を入れた 
僕の過失の鈍い痛みは甦り 
モノクロ写真の君に 
今更ながら、詫びるのだ 
 
閉じた詩誌を本棚に戻して 
次に目に入った「 出会うため 」という 
詩集を手に取り 
レジに立つマ
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