フライフィッシングと詩/北村 守通
が命取りになるのでどちらも気が抜けない。求められるポイントも共に作者によって異なってくるが、結局、納得した物を作るには練習しかない。
ただ、フライとルアーの製作についてもっとも異なる点は完成したものの原材料の特性がどれだけ活きてくるかということだろう。フライでは使った材料がそのまま目に見える。材料に手を加えることなく、どの様に組み合わせて組み立てていくかがバランスを左右する。一方ルアーでは塗装を施すわけであり、原材料は外見からでは見えてこない。made byがフライでmade ofがルアーに当てはまる。
随筆がmade byならば小説はmade ofの世界だろうか。そして詩はどちらともとれる。
自分の作る詩はどちらだろうか、と考えたときやはりmade byだと思う。勿論made ofの世界にも挑戦したいとは考えているが、そこにいくまでの工程過程を知らないし、先に手をつけてしまったmade byの世界についても反復練習が不足している、と痛感している。
戻る 編 削 Point(2)