チャコールグレー/udegeuneru
雨がざあざあ降り続ける、6月の空
赤みを帯びた灰色の鉛
錆び付いた鉄のかたまり
そんな空。
俺は部屋でじっとしていた。
みんなに暖かい目で迎えられて
うれしくてありがとうって思うけど、
本当はちょっとむなしい。
人生を例えるなら花がいい
委ねきって生きているから
なんか自分とはそういう風にもできてなくて、
こうやって
一抹の寂しさとか空虚さを言葉にかえて
宙に投げて溶かすから
部屋がじっとりしていく。
ベランダで跳ね返る雨が
ときどき窓を打ってその音が、
昨日の自分の声みたいでうるさい。
心に沁みる歌が聴きたい
例えるなら花のような
透明な水にも
にごった水にも
姿を映すことはできる
まあでも、
全部俺とは関係のないことか
そんなこともないか
どよめく空で
雷は自分自身をうつんだ
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