慄/路守 緒世留
 
その目だ。
その目で俺を見ろ。

此処にこうして坐っているだけの俺を、
その目で見ろ。
悔やめ。
自らの無智を悔やめ、腹を立てろ。

その様子を、俺は見る。
事切れて、その屍骸を禿鷲が突き始め、
終いには何も無くなるまで見てやろう。

目をよく見開け。
そして俺を見るのだ。

その目だ。

そうだ、俺を恐れろ。
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