抑制雨/唐草フウ
雨が抑えている
気持ちにふたをして
重くのしかかるのは
度の強すぎる眼鏡のよう
咳こんだところで
深く吸ったところで
するのはただ、土のにおい
しみてゆくしみてゆく
こころもぬれてゆく
曖昧な日々に
体もしけってくる
タオルがほしい
タオルを投げろ
どんな思いも吸いこんで柔らかに
安らかに生まれる前に包まれてたもの、特別な
それは雨から生まれたのですか
それは雨のさ中に
生まれてきたのですか
雨は抑えている
目深にかぶる黒い帽子で
強いことばを叫んでも
誰なのか気づかれることなく
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