0714flau schmiedt/あすくれかおす
冷たく触りきったあと
あなたの身体には何か遺るだろうか
私が夢見た痕跡は
のこるだろうか
青く澄んだ月の光のように
彼方のくぼみに 廃墟のように
(先に看取られたアポロチョコレートの行く末は)
たましいは 今
けたたましい空の中腹を
真オレンジ色に燃えさかっている
血に交わり
クォーターになった母国語が
失ったものや
ひょっとして得たもの
その最中を飛び交っている
(何層も剥がれおちてようやく気心が知れるわたしのマントル)
部屋の天辺に小さく
格子状の落書きをする
仰向けに投げ出した
空っぽに重たい
のっぺらぼうの心身から
目が吹き
声を息づかい
ミミミと音階に手を伸ばす
詮索しているのではなく
あまりにも繊細なのだ
人類の即興曲は
ぽろぽろと
枕木を宙に並べて
稀ない星々と
手探りを交わす
(へその緒にくっ付けたままのチューナーを取り戻そうと幻をみて)
戻る 編 削 Point(5)