birthday/風見鶏
 
枯葉

風に抜け落ちたその羽を一枚一枚引き裂いて
枯葉で紡いだその色は一体どんな景色を描くのだろう

知りたいような知ってはいけないような
たまにはそんな背徳的な感慨にふけるのも悪くは無い
そこにはきっと何か建設的な意味などなくて
他に喩えようの無い価値が転がっているだろうから






恍惚の森の道化師は枯木のようなその腕に
あの娘の頭蓋を抱いていた

砂漠の泉の畔には烏が群れを成していて
乾いた声でカラカラと嬉しそうに呟いた

窓の外には紅の景色がとても鮮やかで
無意味に重ねた吐息だけ硝煙のように揺れていた

それなら僕は群青に染まる夕日を閉
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