ビスケットボール3/モリマサ公
 
顔のないつるっとした人たちがふいにに笑う声
風に巻き上がるコンビニ袋の不確かさで
枯れていく音があらゆる角度から無数にする
家と家のすきまでまぶたを閉じる
足元のアスファルトがめくれてくる
肉のような白い雲の腹が空を覆って
風車がまわる
くり返しビスケットを差し出し
ポケットティッシュでなんどもあったかい方の用を足し
俺たちは今それぞれの場所で死んでいく人々の事を
確実に思いながら
ひんやりとした腕でちぢれた水平線を眺め
水たまりに自分を映してふみつけては粉々に砕く
やわらかい
ポッケのなかの土砂崩れ
あがる花火とのろし
依存と活用
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