命日/
こしごえ
わたくしはきくのはなびらをかおっているのだった
霊園を照らす光に透けて
ただよう無修正の遠声はいつまでも増幅し
ゆくえ不明の足許を念じる
目的地はとうに過ぎた視線
まなざしは波もないで静かに
よこたわる水平
線上を連弾する白いゆびたち
このまま
このまま冷却していく発熱
宙のゆびさす先へと 灯り
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