子供をつくろう/にゃんしー
ほら
コウノトリが飛んでった
その向こうをかすめる火葬場の煙
骨を軽すぎると形容するのは
子供たちが計り方を知らないから。
彼ら彼女らが遺した
言葉や体温、シャンプーの香りが
白いカケラにずしりと
こびりついている。
だから
骨をゆっくりひもとき伝える。
風が流れてく。
そして今年も暑い夏がきた。
来年も夏はくる。その来年も。
種はやがて大輪のひまわりになり
ショートホープは値上がりして
子ネコは町の王様になり
空は背丈のぶん少し低くなり
思い出は未来になる。
ぼくらは子供をつくろう。
また、会えるように。
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