青と叫び/木立 悟
うろこの陽すべてをすべて指し示す声がきこえる声がきこえる
かがやきよ窓くだき割るかがやきよかけらに混じる空を数えて
しるべは木しるべはまなこしるべは火かたちなき鳥うたうたましい
たかまりをただたかまりのままに置き光と鉄の冷めゆくを聴く
ひとりではないのかひとりはひとりではいられないのかひとひとりでは
一枚の鏡が光に背を向ける映るはずのないものを映して
目の前に皆ひらかれてただひとつ行方知れぬもの頬つたう熱
流れからひとつの滴そのままにとらえた光あなたへ捧ぐ
いのちでも言葉でもなお贖えぬこの意思の果てこの闇の果て
肌色の陽の終わりには曇の針むらさきのうた冠を縫う
幾億の青のみこめばたどりつく砂の木の笑み火の上の羽
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