緑色の ぐるると喉を鳴らす/水町綜助
 
「夕暮れ時がすきだといった

 わたしは悲しくなる
 といった
 薄い光が町を
 すこしだけれども透き通らせてみせるので
 悲しくなるのだと

 町をみた
 アーチ橋の上から
 静かに流れる川と黒く切り抜かれた町なみ
 見飽きて
 語りつくしてしまったビルが
 ひろがり、空は

        語りつくしてしまった
        もうその色を
        口にすることも

 手折る
 手折られた影
 うずくまるのだ
 うずくまるのだ
 それは泣くという



 瞳はどうして
 色彩をかんじるのですか
 輪郭をみて
 愛着するの

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