チューインガム/相良ゆう
 
結婚はチューインガムのようだ
と誰かが言っていた




口に入れると
はじめはほんのり甘い
恥じらいまじりの
恋の香りに満たされて

交われば交わるほど
恋の甘さに酔いしれて

しばらくは
おいしい関係で
いられるのだけれど

それでもだんだん
味は薄くなってしまって
惰性でいつまでも
もてあそばれて

最後には飽きられて
銀一封包まれて
吐き捨てられるのだとか


味がなくなっても
捨てられない場合は
口の中には知らぬ間に
一粒増えているのだとか


中には味がなくなっても
味の向こう側までかみ続けて
身も心も溶けるまで
愛しつくしてくれる人が
ごく稀に居るのだとか








わたしは飲み込まれたいかなあ
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