「喜びのかたわらに悲しみはあって」/ベンジャミン
喜びのかたわらに悲しみはあって
そしてときどき
僕は盲目になる
あなたの細いゆびさき
ピアノをはじく繊細なおと
それはきっと記憶のなかでのこと
あなたの器用なゆびさき
ヴァイオリンから零れだすおと
あれはそう
僕のなかの感情の弦が
ふるえるようにしながら吐くことば
(きれいなものへの憧れ)
・・・その楽器をひくのをやめないでください
喜びのかたわらに悲しみはあって
僕はいつもふるえているから
あなたのピアノにあわせて
あなたのゆびさき
そのさき
そっと触れている僕のこころ
・・・その楽器をひくのをやめないでください
(きれいになりたいです
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