もぐら/佳代子
 

日差しが嫌いなわけじゃない
空の青さも胸が痛むほど好きだ
解放された風が窓枠蹴飛ばして入ってくると
愛おしくって笑ってしまう
私には嫌いなものなんてない
ポジティブな思考にリアルは寛大だから
いいじゃない それはそれで

死にたい人は生きたいの
縦割りのお腹 腸の下は
華麗なる劇場で
ぎらぎらの眼球が踊っているのよ きっと
かっこわるさの裏っ側は案外かっこいい
ぎらぎらの生きざま
へろへろの生きざま
ぼろぼろの生きざま
眩しくって息切れそうで
わけもわからず焦ってしまうけど
いいじゃない それはそれで

たまにもぐらになってみる
人はそれを「鬱」という
長居する訳じゃないのだから・・・
空気穴から見る地上は
クリアーだって誰も知らない

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