ウエハース島の思い出 6 〜スーパーストロングガール〜/よだかいちぞう
トロールできなくなっていて
まだ固まっていたんだ
だけども、アルルコールの方へ
行けばいいんだという
昔からの習性
子供のときの記憶から
アルルコールの方へようやく
向かうことにした
アルルコールは床に座り壁に背中を凭れながら
リタにこう云った
「リタ、ぼくたちはずっと一緒だった
子供のときからずっとだ
ずっと君のことが好きだった
いまも好きだしこれから先も変わらなく好きだよ
だからリタぼくから離れないでくれ
過去や未来へ行かないでくれ
島が沈むことがわかってもぼくたちだけは変わらないよ」
リタはアルルコールの目を見た
アルルコールも目を離さなかった
「私は強い女の子だから平気だよ
君と一緒にいつまでも居よう
アルル、島が沈まないように
私たちが二人でどうにかしよう」
アルルコールは云った
「そうしよう島を沈ませないように
ぼくたちがなにかすればいいんだ」
アルルコールはリタの手を取った
リタはそのときこう云った
「好きだよ、アルルのこと」
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