景色/小川 葉
 
そうして私は
どこかへ移動し
どこかへ帰ろうとする

あの時と同じ場所に立つと
その時の景色ではない
今の私が静止してる

私がいるだけで
無情に吹くだけで風になれたなら
空を見上げていただろう

帰ることのない
風はあたらしい記憶となり
窓の外は
人と同じ景色になる
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