朱夏/きりえしふみ
 
 ジリジリと焼かれてみたいんだろ?
 噎(む)せ返るよう 夏の視線に
 押し潰されてみたいんだろ? 粉々に粉砕されて
 ジリジリと焼け爛れた 熱の中に紛れ込みたい……混じり合いたいんだろう? 
 焼き尽したいんだろう?
 (ダレカに………ダレカと……ダレカを……)

 (ジリジリと接近する地面)……お前は 嘗て目指していたんだ 空の高みを……
 が 水を差すよう 茹(う)だる暑さの その低音に
 お前は地面に投げ入れられた……踏みつけられた お前自身のその陰に呼び止められた
 縫い付けられた (よもや結ぶのが不得手な太陽の指に) 不格好に

   (白い羽など 切り捨ててし
[次のページ]
戻る   Point(3)