夕立を巡る想い/千月 話子
 
雨垂れが髪を伝う 芝刈り機の音は止んでしまった
体に吸い付く服  空に高く抜ける声・声・声・止んでしまった

時はすでに遅く 軒下で震える鼓動は早まり
足止めの靴先で よれる砂利の音と重なる

目の前の水幕で ぼやける視界には 世界は無く
雨樋を行き交う轟音だけが 今は全てで

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 人類がいなくなってしまった
 鳥がいなくなってしまった

土下の蟻は今頃 地球の奥深く逃げてしまったのだろうか?

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