時の青玉/こしごえ
 

真っ青な血脈の層が 極限のうすさではりつめ
未到の境地が 静脈を経過しながら
うつらうつらと沈静していき やがてそらへと
暗く澄んでゆくのです。

架空層の仄暗いうちがわにある
華の蒼く群生する原野の丘で
純真のむき出している
心臓が、清浄な冷酷にあふれ 、静止
する未来像
悲しみの空をつかむ 陰影に
一条のひかりのさしこむ、歩み去る仄暗き重さ

失ってしまうだろうつながりを
空ろな視線にさしつらぬく
拍動するエナジーのゆくえを
こけむした小石にとおく刻みこんで眠る
蒼くかすむ華にうずもれて

(酷く澄んだ血流と、あいたい、
と凝(じ)っとしているかたさ
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