湖畔/
kauzak
混沌を抽出したような
音楽に溺れていると
時おり
冴えた月光だけが支配する
澄みわたった湖畔の風景だけが
浮かび上がるんだ
ノイズとスクラッチと
サンプリングと器楽音
音の洪水にまみれているのに
静謐な光景だけが支配する
君とその水辺に立てるだろうか
言葉が存在できない
月光に撃たれるしかない湖畔に
むき身のままで
手を差し伸べることは
叶わないけれど
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