乱雑に/乱雑に/
竜一郎
救いあれ 救いあれ
放埓にさんざめく声を抱いて
孤児は野に追い出され
弧を描いては石を投げられた
掬いあれ 掬いあれ
韜晦に失笑で返し
道化師はサーカスで独り
ブランコの漕ぎ手を待っている
救済者は現れず ダダと泣き
掠れゆく虹彩に たゆたう海を想う
救いあれ 救いあれ
掬いあれ 掬いあれ
蜘蛛の糸はなく 苦悶の沙汰が満ち
翳りゆく陽光に 嘲笑が応じる
とまれ音階は瓦解して
拍手が拍手が響くだけ
誰がための賛辞や
誰がための賛辞や
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